2008.08.05
好敵手(ライバル)の重要性
ライバルの存在は非常に大きい。
大きなビジョンを掲げる事は、経営者としての視野を拡げ、今日の活力を生み出す源泉にもなり得る。しかし、立ち止まって考えてみると、人がもっとも熱くなるのは、「今まさに戦っている瞬間」ではないだろうか?ヘタをすると、目の前のアイスを掛けてジャンケンしている時の方が仕事より必死な気がしないでもない・・・。
元来、人間は競争が好きな生き物なのだ。そういう意味において、ビジネスの中でライバルを見つけ出す事は極めて重要なポイントだ。
このライバルを設定するメリットは、以下の通り。
1、目標の具現化
目標は定量、定性の二つの側面で捕らえる必要があるが、それらを統合して具現化した姿として、直感的に目標を捕らえることができる。富士山を 見た事が無い人が山を登るために、標高や推定時間、必要な体力などを数値化してもピンと来ない。それらの数値と共にビジュアルイメージとして認識する事で、より目標が身近なものになる。
2、対比によって自社を第3者的に見る事が出来る
目標と自社との差を明確に測ることが出来る。その結果、強み、弱みの理解や差別化、差異化などの具体的な戦略立案をスムーズに行う事が可能になる。 戦略とは、そもそも戦争用語であり、最小の資源で最大の戦果を上げるためのものだ。経営においては、他社との競争において、如何に生き残り、如何に成果を拡大するかを決定する。ライバルの設定は、戦略立案において必須の項目と言える。
3、成果の尺度が明確になる
「大体これくらい売り上げたい」という曖昧な目標が、ライバルとの対比によってその活動の成果を明確に図る事ができる。独りよがりな目標ではなく、具現化されたライバル像を追いかける事で、メンバー全員の中で一致した認識を持つことができる。
他にも様々な効能があるだろう。
デメリットは、ライバルを意識するがあまり、勝手に枠を設定してしまう事が上げられる。また、達成後に新たなライバルを設定しなければ、達成感は 安堵感に変わり、やがて驕りにつながるだろう。同時に短期的な成果を追うがあまり、長期的な視点での意思決定が出来なくなる事も考えられる。
そこで、ライバルの設定と同様にビジョンの設定も大切になってくる。短期的なモチベーションアップにライバルは効果を発揮するが、長期的に目指す姿を追い求めるには、ビジョンの設定は欠かせないのだ。
そこでのライバルは「自分」ということになるのかも知れない。