2009.06.29
プロダクトアウト 続編
滋賀の建築不動産会社さまに訪問。サイトリニューアルに伴うシステム運用
のレクチャーと新たなサイト構築について意見交換を行ないました。
会話の中で、最近のお客さまのニーズの変化について話がでた。
20代後半から30代後半をメインターゲットとしており、価格訴求が功を奏して
きたが、最近では価格だけでなくデザイン性を重視するお客さまが増えており
販売の仕方を変化させているということだった。
この企業さまは、地域で圧倒的なNO,1の地位を築いていますが、こうした
企業ほど、激しい競争に打ち勝つために常に変化を繰り返しています。
ちょうど昨日のブログでプロダクトアウトについて書いた。
小さな市場で戦うなら、自分たちの感性を信じて「やりたいこと」「やれること」
に果敢に挑戦し、これでもかと新商品を打ち出すプロダクトアウト型の戦略も
一考の余地ありと。
ところが今日は、市場のニーズを汲み取って自分たちを変化させていく、
いわばマーケットインが持続的な競争に勝つ方法となる。
どちらが正しいのか、戦略的ポジションのフレームワークで考えてみた。
このお客さまは中小企業ではあるが、特定地域においては圧倒的強者で、
大手企業もこの会社があるがゆえに、出店をあきらめるほどの強みを保有
している。
こうした会社をニッチャーと呼ぶ。大手や強者が参入してこないような小さな
市場を開拓し、当該分野における専門性を高めることによって、独占的な
地位を確保する弱者の戦略です。
商圏を絞り込むことで、この独占的な地位を確保しており、ポイントは一度
確保したポジションから出ないこと。深化すること。この商圏を守り抜く為に
顧客のニーズを誰よりも早く知り、誰よりも早く対応することが必要なのだ。
当然ながら、自社商圏を出れば圧倒的なフォロワーとなる。
逆に大手企業の中でもトップ集団を市場リーダーと呼ぶ。リーダーの戦略は、
2位~3位の企業を攻撃し、シェアの最大化を図ること。すなわち市場で最も
大きなニーズに対応し総取りを目指す。同時に、多角化によって周辺のニーズ
も拾い上げ独占を目指す。
2位~3位はチャレンジャーで、1位に接近していれば、直接対決。シェアが
離れていれば、4位以下を攻撃し、シェアをリーダーに近づけていく。
それ以外をフォロワーと呼び、リーダーを刺激しない範囲で先頭集団を模倣し
時には共存しながら存続を図る。マクロな視点で言えば中小企業はほとんど
ここに位置している。ここから抜け出すためには、ニッチャーを目指すのが最も
有効であると言われている。
さて、マーケットインとプロダクトアウトの話に戻したい。
上記で、プロダクトアウトが有効に働くのは、フォロワーがニッチャーを目指す
瞬間のみではないだろうか?それ以外はすべてマーケットインだ。
このNO,1企業が、この商圏を開拓した時は未開の地であり、お客さま自体が
存在しなかった。そこに最初に町を作ったのだから、普通に考えれば無謀と
しか言いようがない。
しかし、町を作り人を住まわせていく内に、少しずつ商圏が出来上がり、ついに
シェアNO,1の地位を築いたのだ。相当のバイタリティである。ニッチャーの地位
を獲得した今は、マーケットインに徹している。深化である。
以前、起業家とは何かについて教わったことがある。
そこでは、「無から有を作り出す」と定義された。
これまさにプロダクトアウトではないだろうか?
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エクスト社長 高畑欽哉の2009年度テーマ!
心・・・本当の強さ(人を幸せにする)
技・・・戦術を磨く(現場第一主義)
体・・・腹筋を割る(心身ともに強靭に)
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